及川敬貴 研究室(横浜国立大学)
Hiroki Oikawa's Laboratory

What's New?
2024.4.13 TKRで新歓!


2024.4.1 日弁連(日本弁護士連合会)で講演します
2024.3.26 おめでとう!
2024.3.18 卒論と修論
2024.3.5 レジ袋から愛された木?
2024.2.23 金芝河(キム・ジハ)の詩「めしは天なり」
2024.2.18 「冬の風物詩(4)―ジキル博士とハイド氏?」(Blog)
2024.2.3 関東学院大学の二宮ゼミ

What's New?

  • 24.4.13 <研究室の風景:TKRで新歓!> 新年度のゼミが始まりました。初回は新メンバーを歓迎する会(新歓)がメインです。今回は久々のTK(タコ焼き)(写真は、調理の様子)。最初は普通だったのだけど、次第に悪ノリ状態になっていき、TKRへ。TKRとは、「タコ焼きルーレット」のこと。ワサビや洋辛子を山のように詰め込んだものをわざと作り、運の悪い人はそれに当たるという恐ろしいゲームです。確かに盛り上がるのだけど、年寄りには厳しいイベント!
  • 24.4.1 日弁連(日本弁護士連合会)で講演します(@日弁連本部(霞が関)) コロナ禍があったので、日弁連での講演は久々です。旧知の公害対策・環境保全委員会(自然保護部会)の先生方と久しぶりにお会いできるのが楽しみ! 講演タイトルは『生態系サービス評価と今後の法政策』といった感じになりそうです。
  • 24.3.26 <研究室の風景:おめでとう!> 昨日は卒業式・修了式でした。うちの研究室ではこの5名が卒業・修了。本当に良い笑顔だな~。見ているこちらの頬も緩んできます。卒論・修論の審査が終わった時に mission completed と書いたけれど、実は、わたしは論文や成績のことはそこまで重視していません。元気で卒業・修了してくれること。これが何よりも大事です。元気で存在し続けてくれるのは簡単なことじゃない。わたしはそのことを痛いほどよく分かっています。なので、みんながこうやって元気で卒業・修了していってくれるのは、本当に素晴らしいこと。You guys, mission PERFECTLY completed!
  • 24.3.18 <研究室の風景:卒論と修論> このページを下へ下へとスクロールしていってください。すると、この3月に書き上がった卒論と修論の概要が出てきます。そちらを最新のものにアップデートしました。わたしは、論文の内容よりも、その根元にある「問題意識」が重要だと考えています。なので、多くの方々に、この研究室のメンバーがどのような「問題意識」で研究をしているのかを知っていただけると嬉しいです!
  • 24.3.5 レジ袋から愛された木? それとも、何かの花? いくら何でも、巨大すぎますね。では、何だと思いますか? 実は、この白くて丸いものはシラサギです。シラサギ・ホテル! JR大船駅から徒歩で数メートルの場所。いつから、彼ら彼女らがここを寝床にするようになったのかは分かりません。ただ、最近のことだと思われます。この風景は、夕方以降にしか目にすることができません。日中、シラサギたちはいろいろなところで活動しているのでしょう。大船の新名物(?)の紹介でした。写真は下のスライダーへ。
  • 24.2.23 詩『めしは天なり』 とても心地よい詩を見つけたので紹介します。韓国の金芝河(キム・ジハ)という作家の作品。

     めしが天なり
     天をひとりで支えられぬように
     めしは分かちあい食らうもの
     めしは天なり
     天の星をともに見るように
     めしは みんなが
     分かちあい食らうもの
     めしは天なり
     めし 口中に入りて
     天 わが身に入りたまえり
     めしは天なり
     ああ めしは
     みんなが分かちあい食らうもの

    四方田犬彦『われらが<他者>なる韓国』という本の70頁に載っていました(この本も名著!)。写真は、2023年10月、ソウルにて、親友のヒョンギュンとそのゼミ生たちと「みんな」で「めし」を「分かちあい食らう」ているところです。
  • 24.2.18 「冬の風物詩(4)―ジキル博士とハイド氏?」(Blog) 昼は善良な紳士たるジキル博士、しかし、その博士が夜になると邪悪なハイド氏へと変身。ロンドン市民は恐怖に怯えて・・・・。という有名なイギリスの小説がありますが、冬になると、ルークにもその傾向が・・・・。続きはこちら
  • 24.2.3 <研究室の風景:関東学院大学の二宮ゼミ> 関東学院大学の集中講義では、いつも二宮咲子教授(写真は、二宮さんとご主人。ご主人は Chigasaki Organic Farm の農園主)と四方山話を楽しんでいます(もちろん授業の後で)。二宮先生のゼミは、武闘派ならぬ、社会活動派。ゼミ生たちがとにかく外へ出て、地域と交流し、形になるもの・ならぬものを創り上げていきます。その話が面白い。例えば、小田原の「みかん米粉どら焼き」のプロデュースとか。こういうスタイルのゼミってとても難しいと思うのだけど、教授の人間ができているからやっていけるのだろうか・・・・。わたしにはとても●●です(ここに入るカタカナ二文字は皆さんの予想通り)。
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実際のスライダーの動きは、プレビュー/公開ページでご確認ください

「何が問題か」が問題だ

環境政策論における研究テーマとは何か? 答えは、何でも! ”環境”という言葉の先に広がる景観は、そう言っても良いほどに広い。だから、この研究室では、政策に関するものなら「何でも研究できる」としておこう。ただし、テーマは、既存の考え方やものの見方に挑むものであること。キレイな結果を出すことだけが研究の目的ではない(し、そんなことが目的だったらダサすぎる)。不格好でも、鋭い問題意識に基づいた、何やら迫力のある研究。この研究室ではそんな研究を手掛けてほしい。

及川 敬貴

(おいかわ ひろき)
横浜国立大学都市科学部教授(環境リスク共生学科)および大学院環境情報研究院教授(自然環境専攻)。横浜国立大学評議員 兼 都市科学部副学部長。環境法政策学会理事。環境法・行政法が専門。2023年2月25日に『人新世のエコロジー』(日本評論社)を公刊。同年1月27日には、日本経済新聞の『経済教室』へ「「自然の恵み」は計算できる」を寄稿。その他の業績や経歴・学歴などについてはこちら

研究室のメンバー+1匹

大事にしていること

「メリハリをつける」。ゼミは週に1日だけ。ならば気合を入れて臨もう。自分が報告担当であろうと / なかろうとしっかりと文献を読み込み、“考えた”上でゼミに臨む。オンとオフの切り替えが大事。
「ちょっとだけ新しい・ちょっとだけ面白い」を持ち寄る。ゼミの前後で自分が“変異”する。それを感じ・認め・驚けるように。

ゼミのこと

ゼミ(seminar)>> 週1回(月曜午後)、2~3時間程度。次の2つがメイン。

 文献批評 >> 課題文献について、担当者がレジュメを用意し、それを基に皆で検討を進めていきます。レジュメには、対象となった論文の主張や批評担当者の解釈・見解、それに関連文献情報などが書き込まれます。これまでの課題文献(の一部)については こちら

 研究報告 >> 文字通り、自分が手掛けている研究内容の報告です。なお、研究室メンバーの研究テーマはこのサイトのもう少し先で紹介されています。

ゼミを通じてできること
 成功すること。それは約束できません。しかし成長することはできます。そのための"場"がゼミです。具体的には、上の「文献批評」や「研究発表」を通じて、<批判的に考える力>をつけていきます。いわゆる Critical Thinking です。この力を身につけられれば、どのような時代・社会状況でもサバイブしていけるはず。

就職先や進学先のこと

4年生の進路は「一般就職」と「大学院進学」が半々くらい。研究室のOB&OGには公務員が多いです(法や政策の勉強は公務員試験に通じるところがあるからなのかも)。大学教授も2名。民間企業については、いわゆる大手企業が多いですね。ただ、研究室OB・OGの中には、現在、ベンチャー企業の社長をしている人もいます。最近の主な就職先は次のとおり。
 
<公官庁>
 環境省、東京23区、横浜市(3名)、茅ケ崎市(神奈川県)、高崎市(群馬県)、別府市(大分県)など
 
<民間企業>
 ENEOS(2名)、東京ガス、出光昭和シェル、IBM、日立製作所、日立社会情報サービス、NTTデータ通信、伊藤忠テクノソリューションズ、読売広告社、NEXCO東日本、楽天(2名)、ニチレイ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、PwC(PricewaterhouseCoopers は外資のコンサルティング会社。世界三大監査法人の一つ)など
 
<大学>
 福岡女子大学(教授)、静岡文化芸術大学(准教授)

及川の業績(の一部)。2022-2024

著名な環境法の教授や弁護士とともに研究会を組織(5名しかいないので、サボったり、発言をしないなんてことは無理。)。半年に一度、裁判所ウェブサイトや主な判例集(判例タイムズなど)に掲載された判例・裁判例の中から、環境関連のものをすべてピックアップして整理。研究会での分析を加えた上で、公刊しています。なかなか大変ですが、こうした地味な作業がとても有益だったりします。(『民事判例(日本評論社)』27号40-51頁)
自然が絶滅しかかっている? いや、むしろ"妙に元気”になって、人間に挑みかかってくるケースも多いのではないか。だとしたら、わたしたちは、自然を守るだけではいけない。必要なのは、機に応じた「手入れ」だろう。本書では、そのために必要な考え方としての「生態系サービス」を、そして、参照軸となる世界各地での手入れの事例を紹介していく。(日本評論社、¥2620)
稀少な動植物を守ろうという条例(=その地域で作られる法律のようなルール)を制定する自治体が増えてきた。しかし、いくつかの自治体ではそのようなルールを作るつもりはないという。なぜなのか? 問題がないということなのだろうか? 本論文ではその謎を探った。(『応用生態工学』25巻2号97-102頁)
どう見てもベターな政策提案。しかし、それが採用されないことは多い。なぜか。積み重なった"しがらみ”が、古い政策たちの防波堤となるからである。そうした"しがらみ”(=経路依存(性))が”断ち切られる”ことはないのか? ある。稀にだがある。そんなケースが、1970年におけるアメリカ環境保護庁(EPA)の創設であった。経路依存性が原因でずっとできなかった(環境をめぐるさまざまな)権限の統合。それを成すカギとなったのは?(『行政法理論の基層と先端』所収、信山社)
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EAEH2023(2023年度アジア環境史学会)にて、及川と Lee Jongmin 教授(韓国科学技術大学)が共同で企画・立案し、二人で座長も務めるパネルセッション。日韓の若手研究者5名が登壇予定。6/28~7/2に大田(韓国)で開催。

ある採石事業(法的な認可取得済み)によって地下水脈が傷つく可能性があるが、確たる証拠は示せない。そのようなケースで、地下水脈由来の生態系サービス(生活用水など)を守るために、当該事業を禁ずるような条例は制定できるのか。最高裁の判断(最三判令和4年1月25日)はいかに?(『民事判例(日本評論社)』25号118-121頁)

アメリカ環境法学の定番テキストの邦訳。及川は第11章「エネルギー」(第1節 今日におけるエネルギー事情と課題、第2節 省エネルギー、第3節 再生エネルギー、第4節 新規発電施設と送電線の立地、第5節 環境問題)を担当。(尚学社 ¥5555)
日本の行政法学の定番テキスト。最新の第4版がついに公刊。及川は、第6講「行政組織と公務員」、第29講『地方自治の仕組み(1) ―地方公共団体の組織と活動―』、第30講『地方自治の仕組み(2) ―行政主体間の法関係―』を担当。(三省堂 ¥3740)
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わたしたちの問題意識

里山NPOが「閉塞感」に覆われているというのは本当なのか?(中村愛・R5大学院修士論文)
行政とNPOが「協働」して社会事業を運営していく。日本でもそんな光景が普通に見られるようになった。御上と下々という関係性からの脱却。素晴らしいことではないか! そのように評してみたいところだけれども、自然を相手にするNPOの間では、どういうわけか「閉塞感」が広がっているという。

本当にそうなの? だとしたらなぜ? 

本研究では、人々がNPOの活動へ参加する駆動力となっている「楽しみ」に着目し、これらの問いへ答えることを試みた。なぜなら、「楽しみ」の減退が「閉塞感」が蔓延する一因といわれているからである。

実際、「楽しみ」は減っていたのか、増えていたのか、それとも? ある里山NPOへの調査を行う中で見えてきたこととは?
文化的サービスもナッジといえるのではないか?(近藤聖夏・ベルン大学(スイス)留学中)
これまで、観光地において景観の美化が観光客を環境に配慮した行動意思へ導くとする研究は国外で多く行われてきた。その一方で、地域住民の環境に配慮した行動意思には文化的サービスの享受レベルが関係するという研究も存在する。

本研究では、これらの先行研究に加え、ポイ捨て行動の抑制要因に関する研究から明らかになった、観光客のポイ捨て行動の抑制フロー(景観の美化→情緒的ブレーキ→ポイ捨てをしない)を用いる。

この既存のフローに文化的サービスの享受レベルを取り入れ、アンケート調査を通して定量的に分析することで「景観の美化→情緒的ブレーキ」の間のロジックを強化し、先行研究のフォローアップをしたいと考える。

加えて、文化的サービスが観光客の行動を望ましい方向(ポイ捨てをしないという環境に配慮した行動)に変更させる選択アーキテクチャー、つまり「ナッジ」であるという可能性を模索することで景観美化政策へ新たな美化基準を提案したい。

コウノトリやトキのような生き物(=象徴種)でなければ、地域での環境保全活動を促進できないのか?(関根佐和子・R6大学院修士論文)

地域の生物を環境保全活動のシンボルとして利用することで、生物多様性保全とその利用に対する人々の関心や理解を高めることができるという。

これまで、そのような形で利用されてきたのは、コウノトリやトキなどのような、社会的関心の高い種(=象徴種)であった。では、○○県の花や○○市の鳥など、地方自治体のシンボルとして指定される生物(=シンボル種)ではどうだろう。シンボル種は、象徴種のように、地域の生態系保全とその活動への人々の関心や参加を集めることができないのだろうか? いや、できるのでは?

本研究では首都圏の地方自治体を調査対象に、シンボル種の中でも「鳥」のカテゴリーに注目して、その選定状況や選定の経緯、活用状況を調べた。自治体の中でシンボル種はどのような存在として認識され、どのように利用されているのだろう。果たして、地域の生物多様性保全に貢献できるような機能を持っているといえるのか?

レッドデータブックは単なる生き物リスト。しかし、それは時として規制の道具にもなる?(伊藤航輝・R5大学院修士論文)

レッドデータブック(RDB)は絶滅のおそれのある生き物たちのリストである。

単なるリストなので、それには開発事業を規制するような力は伴わない。というのが教科書的な説明であった。

しかし、全国の都道府県を対象にしたアンケートおよびヒアリング調査を行ってみたところ、RDBは開発事業を抑制するための“指導”にも用いられている実態が浮かび上がってきた。

RDBは単なるリストというわけではなく、事実上の規制ツールでもあるのだろうか? 似たような“事実上の規制ツール”は他にもいろいろありそうである。

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水族館がこれからも存続するにはどうすればよいか?(岡田優里・R6卒業論文)

水族館。もしかすると、「必要ない」と考える人もいるのではないだろうか。実際、水族館は経営にかかる費用が巨大であり、皆が必要ないと判断すれば、その存続は危うい。そういった状況で水族館がこれからも存続するにはどうしたらよいか?

その答えはきっと「社会に貢献する存在であることをアピールすること」に違いない。では、その「貢献」とは何だろう。地域社会教育機能を発揮することだ、とも言われてきたが、それだけだと今一つよく分からない。そこで、本研究では、新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)が行っている、社会「貢献」的な取組みが、地域社会によって、どのように受け止められているのかを調査した。

その結果、そうした取組が地域社会に認識されていることはもちろん、地域社会がポジティブな応答をしていることが窺われた。

なお、こうした「貢献」は、生態系サービスという考え方を援用するとより分かりやすくなりそうである。すなわち、水族館は海と地域社会の間に立ち、海の恵みを地域社会へ文化的サービスとして届け続けている。そのように解してみてはどうだろう? 

子どものころの自然体験だけが環境保護意識を高めるのか?(加藤大智・R6卒業論文)
環境保護意識(=環境を守ろうというわたしたちの思い)の形成を促すの何なのでしょう? 先行研究では、子どもの頃の自然体験の重要性が指摘されています。なぜなら、アンケートで回答されている子どもの頃の自然体験と環境保護意識に相関があるからです。

アンケートで子どもの頃の自然体験を計測できるという仮定は、私たちの記憶が出来事を正確に記憶している、つまり、”現在の私”によって歪められたものではないという認識のもと成り立っているといえるでしょう。

しかし、心理学における“自伝的記憶”という考え方によれば、記憶は”現在の私”から影響を受けて想起されるそうです(!)。であるならば、アンケートで得られた子どもの頃の自然体験のデータは、あくまでも”現在の私”の環境保護意識が投影されたものに過ぎないのではないでしょうか? そうすると、常に”現在の私”が重要なので、大人への自然体験の提供によっても環境保護意識は育まれ得る、ということになりそうです。

このような問題意識の上に、今回の卒論では、アンケート調査を行い、その結果を基に、自然体験と環境保護意識の認識をモデル化してみました。今後は、これを実証することを目指します。

企業だけでなく、普通の市民が主体となる排出量取引制度とはどのようなものか?(横田悠貴・R6卒業論文)

カーボンニュートラルの実現に向けて、排出量取引という手法の制度化が進んでいる。この制度については、企業を、温室効果ガスの削減及び取引主体と位置づけるものが多い。しかし、近年、日本の一部の自治体において、一般市民を温室効果ガス削減の主体とするような制度が現れ始めた。

こうした制度はなぜ構築されたのだろう? どのような仕組みを擁するものなのか? そして、現状どのような運用がなされているのか? 管見の限り、こうした問いに正面から答えているような先行研究は見当たらない。

そこで、本研究では、広島市と京都市で導入された「市民参加型の排出量取引」制度をとり上げ、その構造と実態に関する分析を行ったものである。

その結果、この新たな制度の全国的な普及を妨げる要因がいくつも浮かび上がってきた。

関係人口はどうやったら作り出せる? ふるさと納税はどうだろう?(安東日向子・R6卒業論文)

関係人口とは、観光でもなく、移住でもない、「地域と多様に関わる人々」のことをいう。なぜ今、これが注目されているのか? それは、日本全体で人口が減り続けているからである。そうした状況では、定住や観光によって地方創生を図ることは難しいだろう。そこで、関係人口という、”もう一つの人口”に注目が集まるようになった。

では、関係人口をどうやって創出するか? その手立ての一つが、ふるさと納税であり、その中でも、納税してもらったお礼として、田舎暮らしや農作業などを無料で体験してもらうなどの、いわゆる「体験型返礼品」にそうした関係人口創出機能があるのではないかと言われてきた。しかし、先行研究で論じられているのはそこまでであり、具体的にどのようなタイプの体験型返礼品の創出機能が高いのかはよく分かっていない。

そこで今回は、ふるさと納税サイトである『さとふる』に掲載されている約3万件の体験型返礼品を内容ごとに分類し、今後の類型化に向けた指標づくりを試みた。その結果、横軸を『地元民との交流の有無』、縦軸を『地域性の高さ低さ』として分類すると、象限ごとにある程度の特徴がみられ、返礼品の関係人口創出可能性を検討する際の手掛かりになりそうだということが分かってきた。

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